真田幸村ゆかりの地
真田山(さなだやま)は大阪市天王寺区の北東に位置する地域。JR環状線・大阪市営地下鉄玉造駅から南西方向へ5〜6分歩いたあたりを指します。 (
付近の地図)
ここでちょっと不思議なのが、「山」とは名ばかりで山頂と思わしき場所が存在しない点。『日本山総覧 武内正著 白山書房』によると、標高は10mほどだとか。地名の由来はどういったことなのでしょう?
そのヒントは歴史にあります。「大坂冬の陣」の際、豊臣方の軍師だった真田幸村が大坂城の南方に弱点があることを指摘し、この地に出城(真田丸)を築いたことから、「真田山」と呼ばれるようになったのです。
幸村は徳川家康が最も恐れた男といわれ、家康をあと一歩のところまで追い詰めましたが、数で勝る徳川軍の前に敗れ、散りました。戦死の碑は徳川軍の本陣、茶臼山にほど近い安居神社に置かれています。
大阪城へ続くといわれる、真田の抜け穴
真田山には1600年ほど前、第十八代反正天皇の時代に創立された三光神社があります。
この神社は中風除の神、桜の名所、大阪七福神の寿老人などで知られていますが、なかでも有名なのが大阪城内へ通じるとされる境内の抜け穴。幸村が掘らせたものとして「真田の抜け穴」の俗称で呼ばれていますが、戦前の上町台地周辺を知る人たちの間では、戦後間もない頃まで同様の抜け穴らしきものが空堀通りの南側に点在していたともいわれているそう。冬の陣の折に籠城を決め込んだ豊臣方に業を煮やした家康が掘らせたとする説もあります。
現在、抜け穴の入口は「真田の六文銭」文様入りの鉄の扉で閉ざされており、残念ながら中に入ることはできません。
玉作り伝承の地に鎮座する古社、玉造稲荷神社
厳かな社の姿が、豊臣・徳川時代に「大坂城の守護神」と崇められた威光を今日に伝える玉造稲荷神社。紀元前12年の創建といわれ、その後、戦国時代の兵乱、大坂落城、第二次世界大戦などにより荒廃、焼失と再建を繰り返し、戦後に現在の社となりました。
玉造の名は、この地で生活していた古代の人々が勾玉(当時は曲玉)を作っていたとの伝承に由来するものです。玉作りの話は『日本書紀』にも記されており、紀元前5世紀頃、大和朝廷に関わる玉作部の住居地であったといいます。境内に設けられた「難波・玉造資料館」には、古代玉の遺物をはじめ、全国各地で採掘された原石と玉類、古代土器、中国古代銭などの貴重な資料を展示。玉の歴史や玉作りの工程も見ることができます。
戦争の歴史を感じる、日本最大最古の陸軍軍人墓地
三光神社の西側には、明治4(1871)年、当時の兵部省が我が国で最初に設置した陸軍墓地が現存します。明治6年の徴兵令以前に陸軍に属した士官・兵士の墓碑にはじまり、西南戦争、日清・日露・二度の世界大戦にいたるまで。
軍事物資の輸送他、下働きのために雇われた軍役夫、日清戦争や第一次世界大戦で捕虜となった中国人・ドイツ人の病死者の墓碑まで、その数は5,300基を超え、合葬墓碑や将校の墓碑などは高さが数メートルになるものも存在。
また、納骨堂には4万3千余の遺骨が納められています。
4,569坪(15,077u)を超える敷地には、木々や緑が鬱蒼と茂り、都会とは思えない静けさです。
旧真田山陸軍墓地は、近代における軍国日本の歴史と文化を解明するための手掛かりとしても貴重な戦跡。特定非営利活動法人「旧真田山陸軍墓地とその保存を考える会」が定期的(毎月第4日曜日、午後1時30分〜 但し、12〜1月の案内は休み)に墓地を案内し、保存活動を行っている。
※詳しくは特定非営利活動法人「旧真田山陸軍墓地とその保存を考える会」の連絡窓口、
大阪電気通信大学内(072-824-1131)小田研究室へお問い合わせください。
青空のもとでアイススケートも楽しめるスポーツ施設
史跡だけではなく、若者やファミリーが楽しめる施設も整っているのが真田山の魅力です。市立の真田山公園には、屋外50mプール(冬季はアイススケートリンク)、屋内25mプール、トレーニング場、天王寺スポーツセンター(2つの体育館と多目的室)、テニスコート(砂入人工芝4面)、野球場(1面)を完備。大阪市内では希少な屋外スケートリンクは3月初旬までの営業で、市外からの利用者も多く、子供から大人まで多くの人たちがウィンタースポーツを楽しむ姿が見られます。
また、4か月の赤ちゃんから3歳児までを対象としたベビースイミングスクールや、各回200円で誰でも無理なく体を動かせる元気あっぷ教室、アイススケートのプライベートレッスンとバラエティー豊かなレッスンメニューを用意。アイススケート、プール、トレーニング場はお得な回数券や便利な定期券があり、屋内プールの定期券は大阪市内20か所にある他の市立プールでも使用できます。
庭球場、野球場、体育館(スポーツセンター)の利用は、まず利用者登録を。
希望日の2か月前までの申し込み受け付け、抽選での決定となります。
※施設や申し込みの詳細については、大阪市の
「みおつくしスポーツネット」をご覧ください。